安部政権

2018.10.11
丹波春秋

 頻発する地震に週末ごとの大型台風。その恐怖にさらされながら、史上最長へと踏み出した安倍政権の政策課題を聞くと、景気、社会保障、外交問題など無論どれも重要課題が並んでいるものの、災害対策という面では非常にもの足りない。

 復興予算を組むのは当然として、東北の被災地で今なおダンプカーがおびただしく動き回っているのを見るにつけ、日本の財政は本当に大丈夫かと心配になる。

 おまけに東京五輪。当初予算より国の経費は相当に膨らむらしい。国債発行残高は9百兆円にのぼり、日銀が買い支えなければならない状況なのに。

 防災は、もっと事前の備えを強化することが、遠回りのようでも経費減になると思う。基本は「分散化」だ。首都移転などは最近、全く話題に上らなくなったが、少なくとも逆の動きだけはしないでほしい。

 北海道で一斉に停電する「ブラックアウト」という現象が起きたが、これも発電施設を集中化し過ぎた弊害だろう。すべての住宅に太陽光による自家発電装置が備われば、かなり解決するのではないか。つまり、電力の〝スマホ化〟である。

 電柱を建てない電線類の地中化も、日本は先進国で最低水準だ。かつてない財政危機の中で、優先順位をよく見極めて、最長政権ならではの取り組みを示してほしい。(E)

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