「おみやげ提灯」譲ります 旅先で収集の約260個 ”終活中”の老夫婦が譲渡先探す


写真・「おみやげ提灯、譲ります」と平野さん。壁には全国津々浦々の観光地名が入った提灯が並ぶ=2019年4月16日午後3時1分、兵庫県篠山市で

 兵庫県篠山市味間南の平野勝男さん(84)と妻の俊子さん(82)が、30数年前から収集してきた約260個の「おみやげ提灯」の譲渡先を探している。2人は、「現在、”終活中”。身の回りの整理をしているが、思い出がいっぱい詰まったこの提灯は捨ててしまうのにしのびない。必要とされる方に無償でお譲りします」と話している。

 昭和レトロの雰囲気漂う「おみやげ提灯」。観光地名が大きく書かれ、景勝地の風景や名物なども描かれるなどし、カラフルな彩色と相まって見た目に賑やか。「ブームが去ったのか、最近、観光地に行ってもめっきり提灯を見かけなくなった」と話す。

 夫婦共通の趣味は旅行。北は北海道、南は沖縄まで、国内すべての都道府県をめぐった。旅行に行ってきた証になればと、観光地の土産物屋で売られていた提灯を買い集めるようになった。「1つ800円ほどしていたので、ダブって買ってしまうともったいない」と、購入済みの提灯をパソコンで管理。旅行に出かける際には購入済みリストを持参した。旅から戻ると、部屋の壁に提灯を飾り付け、楽しかった旅の思い出を2人で振り返った。

 勝男さんは50歳の時に製材業から念願だった旅行業へと転身。「仕事としてお客さんを連れてのツアーでは、行程表通りに事が運んでいるか管理することに精いっぱいで、提灯を物色する余裕はなかったけれど、夫婦や友人とのプライベートの旅行では必ず買っていた」と懐かしむ。

 80歳でリタイアしたが、今でも年間30泊は旅先。「自由気ままに好きなところに行きたい。観光地へ出かけるといっても、お金がないので宿泊はビジネスホテルですが」と笑う。

 提灯はすべてを引き取り、篠山市まで取りに来られることが条件。