イラストレーター 中川英明さん(丹波市氷上町氷上)


郷土武将の“表情”描く

 明智光秀や赤井(荻野)悪右衛門直正、波多野秀治ら戦国武将のイラストを描き、丹波市が発行するパンフレットに採用されている。直近では、来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」をPRする幟にも自身が描いた光秀、直正がプリントされ、至る所ではためいている。

 柏原高校時代は美術部。郷土史を含め歴史自体に興味がなかった。「そもそも世界史を専攻していました」と笑う。当時、地元には閉塞感が漂っていると感じており、「山しかないし大嫌いでした」と話す。大学進学を機に地元を離れ、のちにUターン。「一つでも地元の良いところを見つけよう」と考えた。

 タイトルに引かれ、丹波地域の戦国史について調査研究した本「丹波戦国史」を図書館で借りて読んだ。辞書のように分厚く、600ページ以上ある本を2週間で読破。それでも飽き足らず、全ページの写真を撮って携帯電話に保存した。特に直正の生涯を紹介した章に興味を持ち、頭にたたき込むため、直正の章の記述をパソコンに打ち直したという。

 肖像画が確認されていない直正。「どんな顔をしていたのだろう」という興味から、得意のイラストで表情に迫った。自身が抱く勇猛なイメージとともに、肖像画が残る直正の祖父・赤井伊賀守忠家を参考に描いた。

 歴史上の人物を描く際、「表情」を大切にするという。生涯を調査した上で、史実と独自の解釈をもとに描いていく。「知将」と呼ばれる明智光秀は、涼やかな目元を大切にしたという。

 イラスト制作を通じ「丹波の印象が変わった」という。「今は地元に深くかかわる魅力を感じています」。34歳。