「旅愁」の記念碑建立委員会会長 進藤凱紀さん(丹波市氷上町新郷)


多くの厚意で宿願果たす

 旧制柏原中学校で音楽教師をしていた音楽家、犬童球渓が作詞した唱歌「旅愁」の記念碑を、柏原高校近くの道沿いに建てた建立委員会の会長。個人や団体の約540件から寄付があった。「人の厚意のありがたさをしみじみ感じました」と話す。

 柏原高校に12回生として入学しながら、15回生として卒業した。入学してまもなく胸を患い、2年半、自宅療養を余儀なくされたためだ。復学し、2人の国語教師から犬童について教わった。『すごい人が柏原高校にいた』と感嘆。犬童が柏原中教師時代に胸を患ったことも、心をとらえた。犬童は明治38年、柏原中に赴任。音楽に抵抗を示す生徒たちの反発に傷つき、胸を患った。「自分の体験と重なったこともあり衝撃でした」

 元柏原高校教諭。同校が創立百周年を迎えた際、記念事業として犬童の記念碑建立を提案したが、実現しなかった。

 2007年、柏原プロバスクラブを設立。10周年を迎えたとき、記念事業として碑を建てることを設立時から考えていた。いよいよ具体化する時期を迎えた矢先、当初から頼みにしていた人が死去。進藤さんも大腿骨骨折で入院する羽目になった。入院中、同クラブのメンバーでもある医師の赤松暉久さんが訪ねてきて、「犬童の碑を建てよう」と励ましてくれた。昨年12月、赤松さんらの尽力で建立委員会が設立され、会長に就任。市民共有の碑とするため、寄付を募った。丹波新聞で寄付を求める記事が掲載されてから1週間、電話が絶えなかった。

 碑が観光スポットの一つになることを願う。同時に「生徒の反発に柏原を去ることになった犬童に対する懺悔でもあるんです」という。77歳。