軒先に”幸せの黄色い旗” 吊るして「元気の証し」 高齢者の見守りに


写真・毎朝、ハンガーにかけた黄色い旗を軒先に吊るす女性と、声かけをする山崎会長=2019年5月28日午後2時51分、兵庫県丹波篠山市川阪で

 今日も元気に暮らしています―。兵庫県丹波篠山市西紀北地区の住民でつくる「草山郷づくり協議会」(山崎義博会長)が中心となり、高齢者の見守り活動の一つとして、日中、玄関先や軒先に黄色い旗(約30センチ四方)を掲げてもらい、元気に暮らしていることを知らせる「幸せの黄色い旗運動」を実施している。見守りを希望する世帯は、夜には旗をしまい、翌朝、また掲げる。旗が出ていなければ、気付いた人がその家庭を訪問して安否を確認する。きっかけは地区内であった孤独死。山崎会長は、「誰もが自分の地域で暮らし続けたい。少しでも高齢者の孤独が緩和されるように、お互いに声を掛け合える雰囲気が生まれれば」と話している。

 同地区は、本郷、川阪、遠方、桑原の4集落からなり、高齢化率38・42%(2019年5月末現在)。

 同運動は地域全体で一体感を持って取り組もうと、地区内全世帯(計約300世帯)に旗を配布。若い世帯などは旗を掲げっぱなしにし、一人暮らしや高齢世帯など見守りを希望する家庭は朝夕に出し入れする。見守りを希望している家庭は約40軒。また、家族の協力を得て、異常を感じた時の緊急連絡簿も作成、集落単位で「見守り隊」も組織した。

 同市市社会福祉協議会の呼びかけで自治会長会や郷づくり協、民生委員らで年1―2回開いている「地区福祉会議」の中で、旗を掲げるという行動を通じて地区内相互の信頼関係、共通の安心感につながらないかと、委員から提案があった。その後、先進地を視察するなどして話し合いと準備を進め、今年1月から始めた。

 独居で85歳の女性は見守りを希望し、毎朝7時ごろ、黄色い旗を軒先に吊るす。昔ながらの茅葺き屋根の家に住んでおり、これまでは雨戸の開け閉めが外部に元気でいることを知らせる合図にもなっていた。「一人でいると、いつ寝込んだり、息絶えるか分からん。黄色い旗は、気にかけてもらっているという安心感になる」と話す。

 ただ、高齢者が泊まりで出掛けていただけなのに、旗が上がっていないことで大騒ぎになった例もあったと言い、山崎会長は、「様々な事例を持ち寄って課題を解決しながら、役員が交代しても思いを継承していけるように、いかに固い絆にしていくかだ」と話す。

 また、「黄い旗運動をする―という具体的なテーマが定まったことで、福祉会議やそれぞれの集落で、充実した話し合いができた」と振り返っている。