ネコをモチーフに パッケージデザイナー 奥田一明さん(芦屋市)

2019.06.02
たんばのひと

奥田一明さん

感情揺さぶる作品を

可愛らしい猫のデザインで知られる丹波市出身のパッケージデザイナー。芦屋市でデザイン事務所「Knote」(ケイ・ノート)を営む。

今年でデザイン歴40年。包装紙、ロゴマーク、キャリーバッグと幅広い分野で活躍。特にチョコレートは、洋菓子メーカー・ビアンクールが展開するチョコレートブランド「キャッツギャラリー」のパッケージデザインを30年前から手がけている。ビアンクールバレンタイン商品で日本パッケージデザイン大賞も受けた。富山射水市や山口きらら博のマスコットキャラクターなどのデザインも担当。

人間の感情を揺さぶる「情緒的デザイン」に注目し続けてきた。柏原高校を卒業し、大阪デザイナー専門学校グラフィック科に学び、「ユウ・デザイン」で、23年過ごした。ビアンクールの作品を手がける際にネコのデザインが採用された。以後、ネコをモチーフにする。

絵の好きだった小学生時代。アニメや鉄人28号、スーパージェッターなど人気漫画のキャラクターをノートに描いて楽しんだ。事務所の名前にはそんな光景が浮かぶ。「デジタル化の時代だが、ノートにデッサンを描いたり、アイデアを書くことを基本にしている。描く時は第六感が役立ちますね」と笑顔。

子どものころ、田舎の風景を盛んに描いた。「山の緑も、場所によって異なる。既成概念にとらわれず、想像力、感性を働かせたい。軟らかい感覚や面白い発想を持つ『人財』を育て、古里の町づくりに貢献したい」と話す。短大のデザイン科を出た娘のこころさんと事務所を切り盛りする。大阪芸術大学特任教授、大阪成蹊大学非常勤講師。丹波市山南町南中出身。60歳。

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