「甲子園へ」願い込め硬球補修 障がい者就労施設で手縫い 兵庫の強豪、神戸弘陵が依頼


硬球の補修作業に励むSoraの利用者=兵庫県丹波篠山市大沢で

 兵庫県丹波篠山市の障がい者就労継続支援A型事業所「ワークスペースSora」(運営=Cielo株式会社、堀北晶子代表取締役)が、硬式野球ボールの補修作業に励んでいる。補修を依頼したのは、夏の甲子園をめざし、10日、兵庫大会で初戦を迎える神戸弘陵学園高校硬式野球部。依頼を受けた300球の補修作業を急ピッチで進めている。4日には9人の利用者が補修作業に励み、「弘陵が初戦を迎える日までには納品したい」と話していた。

 同事業所は、企業などで働くことが困難な障がい者を支援しようと今年2月に開所。現在、市内外から13人が利用者として登録しており、月に22―23日勤務している。箱折りやタオルの箱詰め作業など軽作業を中心に行っているが、支援員の藤原健太さん(33)の草野球仲間が神戸弘陵出身だったことが縁で、同高校から硬球補修の依頼が舞い込んだ。

 5月から約300球が持ち込まれている。補修作業では、ほつれたり切れたりしている糸をすべてほどいて取り除き、新しい糸で再び縫い合わせる。利用者らは、球が安定するよう筒の上に乗せると、2本の針を使って赤い糸を一針一針ていねいに縫い合わせていた。

 利用者によると、ひとりで1時間に1―2球を仕上げることができるという。

 特に傷みが激しい球の補修を担当している佐埜将夫さん(35)は、「私も中学時代は野球少年だったので興味を持って仕事をしている。この夏は、地元の高校はもちろんですが、弘陵にもぜひ頑張ってほしいですね」とにっこり。慣れた手つきで作業を進めていた杉本未来さん(37)は、「縫い目が美しく仕上がるよう、神経を使っている。もし、弘陵が甲子園へ行くことになったら応援しに行きますよ」とほほ笑んでいた。