アプリで「いじめ」相談 証拠画像や動画も添付 ゲーム機でも送信可能


写真・「STOPit」のデモ画面。相談や画像、動画を添付し送信すると教育委員会から返信が届く

 兵庫県丹波市は、いじめに悩む生徒や、相談ができなくて困っている生徒が声をあげやすくする手立ての一つとして、7月から同市内の中学1―3年生を対象に、いじめ相談・報告アプリ「STOPit」の運用を始めた。投稿者に関わる情報は学校と学年のみで、匿名。匿名の生徒がスマートフォンやパソコンから教育委員会に相談を投稿すると、教育委員会から返信がある。学校と学年が把握できる利点を生かし、各中学校につなぎ、教育委員会と学校で課題解決に取り組んでいく。同県内では初導入。

 米国発で、ストップイットジャパン(東京都中央区)が販売するアプリ。国内では14自治体281校(7月2日現在)で使われている。

 

 スマホやパソコンのほか、インターネットにつながるゲーム機などからも相談ができる。いじめの証拠となる画像や動画などを添付して送信できる。当事者でなくとも、いじめなどの問題行為を見聞きした場合に相談・報告ができる。

 従来からあるいじめの相談方法、電話や電子メール、「LINE」などに、新たに「STOPit」を加える。相談者への教育委員会からの返信は、平日の午前9時―午後5時に行う。 

 生徒たちは導入前に各中学校で出前授業「いじめの脱傍観者授業」を受け、アプリを使った相談、報告の説明を聞く。授業後にアクセスコードが配布され、登録した生徒から相談できる環境が整う。7月中に全校で授業を行う。スマホの購入を勧めるものではなく、通信機器がない生徒には電話相談の利用を推奨していく。

 市教育委員会によると、これまでの対応で、保護者ら大人からの相談は一定数あるものの、児童生徒からの相談や通報は全くないという。いじめの認知件数は年々増加しており、教師や保護者が気付きにくいインターネット上のトラブルも増加傾向にあるという。

 昨年度に実施した「いじめ実態調査」によると、いじめがあった時に「相談しない」と答えた児童生徒の割合は小学6年生の5・3%に対し、中学1年生で9・7%(中学生全体でも約9・7%)と増加しており、いじめの早期発見が課題と考えた。中学生がよく使うコミュニケーションツールのスマホを使い、簡単に相談、報告ができるようにする。