国蝶178匹が大空へ 準絶滅危惧「オオムラサキ」 10回目の放蝶会に625人


写真・放蝶前に腕にとまったオオムラサキをほほえましく見つめる参加者=2019年7月7日午後3時40分、兵庫県丹波市柏原町柏原で

 国蝶「オオムラサキ」が多く舞う里山の姿を取り戻そうと、兵庫県丹波市柏原町の丹波の森公苑でこのほど、10回目となる放蝶会が開かれた。625人の参加申し込みがあり、遠くは名古屋市からの参加があった。オオムラサキの生態を学ぶ講演があったほか、飼育に取り組む小学生の発表もあった。最後はオオムラサキの成虫を放し、大空に向け力強く羽ばたく姿を見守った。

 オオムラサキは準絶滅危惧種。同公苑は2007年から、施設内に専用ケージを設置して飼育し、09年から放蝶している。2、3年前より同公苑外での繁殖も確認されているという。

 放蝶会を前に、京都大学名誉教授の西田律夫さんが「みんなで考えよう―オオムラサキの7つの不思議」と題して講演。オオムラサキの生態について解説し、「卵は、拡大観察するとブドウやスイカに似ている」「幼虫の顔は1匹ずつ違う」などと説明した。

 このあと、校内でオオムラサキを飼育する同県丹波篠山市の篠山小学校3年生22人が発表。飼育の様子を語ったほか、生態に関するクイズも出題した。「9匹が成虫になって篠山の空に飛んでいきました」と喜びを発表し、「無事にチョウになったオオムラサキには、卵をたくさん産んでほしいです」と述べた。

 放蝶会では、1家族に1匹ずつ、虫かごに入れた成虫が手渡され、計178匹の成虫が放たれた。すぐに大空へ飛び立つ成虫もいれば、しばらく参加者の腕にとまってから羽ばたくものもおり、参加者らは美しい姿を写真に収めていた。

 来賓で訪れた京都大学名誉教授で、同公苑の名誉公苑長・河合雅雄さん(95)=同県丹波篠山市=は、「オオムラサキが、もっともっと増えてほしい」とにっこり。参加した男児は、「去年、放蝶した成虫はメスだったけど、今年はオスだった。たくさんオオムラサキが増えてほしい」と話していた。