実施率、午前開催は「4回中3回」、午後開催は「2回に1回以下」


写真・午後開催ながら14回実施できた小学校の地区水泳で元気に泳ぐ児童。PTAが「暑さ」による中止判断基準を指数でなく水温に設定したことで中止は1日にとどまった。=2019年8月8日午後1時32分、兵庫県丹波市内で

 昨年の猛暑を受けた熱中症対策で、兵庫県丹波市の多くの小学校が、昨年度までの午後から、比較的涼しい午前に時間を変えて実施した今年度の「地区水泳」が9日までに終わった。最も早い午前9時に泳ぎ始めた学校は中止が1日もないなど、午前開催校は「4回中3回」実施できた。午後開催校は、「暑さ指数」の上昇などで中止が相次ぎ、「2回に1回以下」にとどまり、午前への前倒し効果があった。午後開催校の中に来年度から午前開催を検討したいとする学校が複数あり「朝の涼しいうちに水泳」が定着していきそうだ。

 今年度地区水泳を実施した市内19校のうち14校が午前、5校が午後だった。実施率(実施日を予定日数で割る)は、午前開催校全体で75・3%、午後開催校は41・3%だった。
水泳開始「午前9時」も

 午前9時に泳ぎ始めた学校は全13回中止なし。校長は「10時半には終わる。帰宅中の暑さも考えると朝早い方が良い」と話した。今年度から午前開催、時刻を同9時半―10時45分とした学校は、14回中11回実施。校長は「去年通りの午後開催だったら中止の連続だったろう」と言い、「地区水泳を主催するPTAが話し合って、子どもが泳げる環境を整えてくれた」と感謝していた。

 今年から午前に変更し、15回中14回実施した学校の唯一の中止は、暑さではなく雨だった。

 「午後」の5校のうち4校は、8月は暑さで全日程が中止。4校が実施できたのは7月中に1-4回だった。1校は、15回中14回実施した。
「暑さ指数」「水温」「雷注意報」、各校で異なる実施可否判断基準

 PTAと学校が相談して定める実施可否の判断基準が各校でまちまちのため、19校の実施率は7・7%(1回実施、12回中止)―100%(全13回実施)と、大きく異なった。

 多くのPTAは「暑さ指数」と気温と水温の合計を「物差し」に使っている。環境省の熱中症予防サイトで兵庫県柏原の「暑さ指数が31を超える」、「気温と水温を足して35度超」のいずれかに抵触すると中止。抵触が見込まれる場合も中止することがある。

 ▽雷注意報発令▽気象庁の高温注意情報発令ーを基準の一つにしているPTAも。「物差し」の種類が多いほど、対熱中症の安全は高まる反面、水泳実施は難しくなる。

 どの「物差し」をいくつ使うかは学校とPTAの判断。「午後」ながら14回実施した学校は「水温34度以上で中止」のみを「物差し」とした。なるべく泳がせてやりたいと考えたPTAが定めた基準という。

 一方、午前に11回開催を予定し2回実施にとどまった学校は、午前8時時点で午前9時の柏原の「暑さ指数28」予報を中止基準にしていた。

 各校で「暑さ指数」や気温をチェックする時間が異なるため、同じ日に同じ「物差し」を使っても、実施と中止に分かれた日があった。環境省の「予報」を採用するのか、学校所在地の現場で実際に計測した結果を用いるのかでも判断は異なってくる。

 ある校長は「安全と子どもたちの楽しみをどう考えるか、考え方が分かれる悩ましい問題。これからも毎年夏前に関係者は頭を抱えるだろう」と話していた。