あなたはどんな”団子”食べた? 中秋の名月でイベント 全国の4種作って味わう


写真・水面の代わりにスクリーンに映し出された中秋の名月と4種の月見団子=2019年9月13日午後8時44分、兵庫県丹波篠山市日置で

 中秋の名月となった13日夜、兵庫県丹波篠山市で一風変わったお月見イベントが開かれた。月見に欠かせない「月見団子」には地域性があり、全国各地に伝わる主な4種の団子を作って、月を愛でながら食すというもの。参加した人々は雲の切れ間から顔をのぞかせた美しい月にため息を漏らしながら、各地の団子を食べ、太古の昔から続く伝統行事を目と舌で味わっていた。みなさんはどんな団子を食べましたか?

写真・中秋の名月の下、団子を頬張りながら月見について語り合う参加者ら

 イベントを企画した松本剛さん(60)によると、お月見が盛んになったのは平安時代。中国から伝わったもので、貴族の間で流行した。月を見ながら酒を酌み交わし、船の上で詩歌や管弦に親しむ雅な催しで、当時は空を見上げるのではなく、水面や盃に映った月を愛でていたそう。江戸時代に入って庶民にも広まったとされるという。

 月見には五穀豊穣への感謝の意味もあって基本的に供え物があり、ススキに団子、農作物が供えられた。

 松本さんは、「失われつつある日本の伝統に思いをはせ、語り、守り続けるきっかけに」と企画。松本さんは昨年末、正月に食べる「雑煮」の歴史をひも解き、地域ごと、あるいは家庭ごとに異なる雑煮を楽しむイベント「雑煮―1グランプリ」を開いていたこともあり、月見団子についても地域性を調べたところ、各地でさまざまなタイプがあることがわかり、食べ比べを行うことにした。

写真・4種類の月見団子

 作ったのは、月見団子と聞いて誰もが思い浮かべる「1・白丸タイプ」。丸い団子を月に見立てたオーソドックスなもので、主に関東で作られる。次に「2・里芋型あんこ乗せタイプ」。里芋のような紡錘系の団子にあんこをかぶせてあり、主に関西地方で知られる。この団子から中秋の名月には”芋名月”という異名がつけられている。

 平たくした団子の中心をへこませる「3・へそもちタイプ」は主に東海、白丸タイプをあんこで包み、串を打つ「4・串団子タイプ」は主に中国・四国地方で食べられている。

 松本さんによると、ほかにも東北では「まんじゅうタイプ」、沖縄ではもちに小豆をつける「フキャギ」などがあるという。

 イベントでは参加者自ら4種の団子を作り、水面の代わりにビデオカメラを通してスクリーンに映した月を愛でながら、「ムーンライト・セレナーデ」をBGMにハーブティーとともに味わった。

 参加者らは、輝く月を見ては、うっとりと「きれい」とつぶやき、さまざまな団子をほおばりながら、「そういえば、月見団子は知っていても、自分の家がどんな団子だったかわからない」と薄れゆく伝統を実感していた。