”悪いナスビ”増殖中 全身にとげと毒、注意を


写真・繁茂するワルナスビと蜜を集めに来たハチ=2019年9月2日午前10時3分、兵庫県丹波篠山市今田町今田新田で

 “悪いナスビ”にご注意を―。兵庫県丹波篠山市今田町今田新田の草地で、北米原産の帰化植物「ワルナスビ」が繁茂している。薄紫や白色の花を咲かせ、ハナバチなどに蜜や花粉を提供し、見た目は可憐だが、実は大変な厄介者。全体を鋭いとげで“武装”し、葉にも茎にも、さらにはミニトマトに似た黄色い果実にも毒を含む。繁殖力が旺盛で、一度繁茂すると根絶やしにするのは困難という。原産地でも「悪魔のトマト」などの異名を持つ。ただいま市内外で増殖中だ。

写真・草地で繁茂するワルナスビ=2019年9月2日午前9時59分、兵庫県丹波篠山市今田町今田新田で

 ナス科の多年草。毒成分はソラニンで、ジャガイモの芽に含まれる成分と同じ。摂取すると頭痛、嘔吐、胃炎、下痢、食欲減退などを起こすほか、最悪の場合死に至ることもある。最近では兵庫県宝塚市の小学校でジャガイモのソラニン類による食中毒が発生している。

 花期は6―9月。繁殖力が非常に強く、種はもちろん地下茎でも増え、地下茎のわずかな断片からでも再生して繁殖するとされる。

 国内で初めて確認されたのは明治時代。千葉県で見つかった。今では北海道から沖縄まで自生している。「日本の植物学の父」といわれる牧野富太郎氏(1862―1957年)が発見し、「悪茄子」と命名した。