夢見る少年時代

2019.09.08
未―コラム記者ノート

 丹波篠山市の西紀少年野球団が9月8日まで淡路市で開かれている、4年生以下を対象にした県大会に出場している。県大会出場は、1978年(昭和53)の創部以来初。部員不足による解散の危機を乗り越えてつかんだ出場権で、選手たちは、大舞台を楽しんでいるにちがいない。

 同市内で開かれている大会結果を見る限り、西紀はここ最近、部員不足もあり、決して強いチームとは言えない。大差で敗れている試合もあった。だからこそ、団長が「先輩らが我慢し、がんばってきたからこそ」と、目を赤くしながら話される様子に、ぐっとくるものがあった。西紀出身の選手が中学、さらに高校でも続けているのを見かけると、野球の楽しさを伝えてこられたのだろうと想像する。

 今夏、甲子園では丹波地域出身の球児たちが大活躍した。小学校の文集には「プロ野球選手になる」と書いている。みんなが夢を見た少年時代。プロ注目の試合も熱くなるが、ちびっ子たちが目を輝かせながらボールを追いかけ、勝ち負けにこだわらずに保護者や地域の人が声援をおくる―、そんな様子もまた、応援したくなる。(芦田安生)

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