「侵略的外来種」

2019.10.10
丹波春秋未―コラム

 子供の頃から親しんできた野草、イタドリが身体に良い野菜として高知市内では朝市で売られているそうだ。そのイタドリが英国では「侵略的外来種ワースト100」に選定され、目の敵にされている。

 「外来種は本当に悪者か?」(草思社)の著者、フレッド・ピアスによると、同国スウォンジー市に1970年代から急にはびこり、住民が「庭に生えて困る」と言い始めた。

 市は駆除の予算を組み、駆除されていない土地には建築確認をおろさないほど対策を徹底しているが、ほかの自治体でイタドリに悩んでいる所はないという。この町は銅産業の衰退で産廃物の集積地となったのに伴い、生命力の強いイタドリが目立つようになったらしい。しかし「郊外の田園地帯にまでは広まらず、自然環境への脅威にはなっていない」。

 日本では北米原産のオオキンケイギクが「外来種ワースト100」として注視され、丹波地域でも中学生が指示されて「こんなきれいな花が…」と言いながら駆除していると報道された。案外、英国のイタドリみたいなところもあるのでは。

 篠山東雲高生の山上琴音さんの「外来種ウシガエルの堆肥化実験を試みる一方、自宅ビオトープで在来種トノサマガエルとの共存の道を探っている」という意見発表(9月15日号本紙篠山版)を傾聴したい。 (E)

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