青垣町あざみ菜生産加工組合長 芦田秀明さん(丹波市青垣町東芦田)


 
30周年「青垣の特産守る」

 組合発足30周年のシーズン。10月から漬け込みが始まっている。全国的にほとんど作られていない「あざみ菜」を栽培し、浅漬けにして販売する。ピリッとした辛味が人気で、紅葉狩りに高源寺や道の駅あおがきを訪れる観光客に、みやげとして買われていく。紅葉のこの季節、青垣でのみ、作りたての「生」のあざみ菜漬けを販売する。

 旧青垣町農業委員会の有志によって設立され、県のブランド認証を受けた「青垣の特産」を守ろうと、自身を含め12人の組合員で、生産、加工、販売を一貫して行っている。25年間、1袋250円、今も300円と、みやげとしては安価で、平成の中頃はおもしろいくらい売れた。

 漬物用の新野菜の種が、平成元年に旧西紀町の種苗家から青垣に持ち込まれた。農業委員をしており、翌年の組合発足に携わった。長く会計を務めた後、85歳まで組合長を務めた足立藤吉さん(同町寺内)から2代目のバトンを引き継いだ。

 現在の生産者は5人で作付け面積約60アール。自身は約30アールを栽培する。作付けが8月中ごろから9月末、ふた月ぐらいで収穫できる。「米の繁忙期とずれ、裏作ができる。去年は出来がひどく、漬物を作ろうにも材料がなかったが、今年はうまくいった。辛味が足りない年もあるが、今年は大丈夫」と胸をなでおろす。

 野沢菜のように調味液に漬けるのでなく、使うのは塩のみ。高菜のように長く漬けず、2昼夜のみ。青々とした姿のまま出荷する。「先輩が始め、ここまで続いてきたもの。喜ばれもするし、火を消したくない。販路はまだ開拓できる。あざみ菜栽培に目を向けてもらえれば」と、後継者が現れるのを待っている。75歳。