80歳のかやぶき職人、62年目の栄誉 「ようやく認められた」 伝統的技能者として全国表彰


建築士会全国大会で伝統的技能者として表彰された後藤さん。今も現役でかやぶきに精を出す=兵庫県丹波市山南町で

 兵庫県丹波地域唯一のかやぶき職人、後藤榮勝さん(80)=同県丹波篠山市八上上=が、このほど北海道函館市で開かれた「第62回建築士会全国大会」(公益社団法人・日本建築士会連合会主催)で、伝統的技能者として表彰された。18歳のころからかやぶきの道に入り、62年をへて、初めて職人として得た表彰。「育ててくれた6人の親方、地域の人、みんなのおかげやと思う。苦しいこともあったけれど、80歳になってようやく認められました」と喜んでいる。

 同連合会によると、伝統的技能者の表彰は、地域社会に貢献し、技術が卓越していること、後進の指導育成に寄与していることなどが条件。原則60歳以上で、今年は宮大工、畳職人、左官、板金など全国の職人21人が表彰された。

 後藤さんは同じくかやぶき職人だった父の手伝いを始め、基礎を叩き込まれた後、市内の親方について技術を磨いた。

 60歳のころ、ようやく独り立ちを認められ、今では丹波地域で唯一の存在になっている。

 今年、傘寿を迎えた今も現役で、寺社の屋根のふき替えなどに精を出している。

 全国大会には子どもや孫も含めた家族10人で出向き、晴れの舞台に立った後藤さん。栄えある表彰に、「親方たちには本当にお世話になったし、今、一緒に作業をしてくれている仲間がいてくれるからこそ。いろんな苦しみも味わったけれど、これで満足ですわ」と感謝する。

 また次の現場が決まっている。「体が続く限り、仕事を続けたい。表彰ももらったし、余計に気張らんと」と奮起し、「いつか、伊勢神宮のふき替え作業に行くのが夢」と笑顔で話していた。