豊島美術館

2017年03月09日

 小さな丘の周りを辿って入り口をくぐると、床面40×60㍍の、低い天井の円い空間が開ける。ドーム状の天井にいくつかの穴が開いていて空がのぞき、この日はしとしとと雨が降り注いでいた。▼薄いコンクリートに圧迫感はなく、宇宙のパワーの中に浸るような安心感に包まれる。地表のあちこちから水玉が湧き出て、ゆっくりと滑りながらほかの水玉と合体し、さらに広い水たまりへと向かっている。▼瀬戸内海の小島に作られた「豊島美術館」。一面棚田の丘陵地帯に浮かぶ、“空飛ぶ円盤”を流線形にしたような白い建築物だ。何の展示物もないシンプルな構造なのに、いつまでも佇んでいたいような気分になる。植野記念美術館友の会の役員研修ツアーで一昨年行った隣の直島が様々な趣向に凝らされていたのとは、また違った不思議なアートだった。▼豊島はかつて産業廃棄物の不法投棄が続き“ゴミの島”で知れ渡っていた所。法廷闘争になり、地元の様々な努力で、今や世界中から人を呼び込む島に変わった。▼長らく耕作放棄地となっていた棚田の再生も進んでいる。「館は開館したが、完成にはまだ時間が。それは5年後、10年後、棚田に黄金の稲穂が波打つ中に柔らかなフォルムが浮かび上がる時」とオーナーの福武總一郎・福武財団理事長は書いている。(E)

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