真夏日

2017年08月13日

 最高気温が30度以上の日をいう「真夏日」。大正、昭和期の歌人、斎藤茂吉に真夏日という言葉を使った歌がある。「真夏日のひかり澄み果てし浅茅原にそよぎの音のきこえけるかも」。真夏の太陽が照りつけるなか、耳を澄ませば、葉のそよぐ音が聞こえるという歌意らしい。

 この歌について文芸評論家の山本健吉は「静寂のきわみ」と絶賛し、「真夏日」には少しも不快なイメージがないとした。茂吉が美しい詩語として使った真夏日なのに、今では無粋で、嫌悪すべき言葉として定着したと嘆いた。

 山本がそう書いたのは40年ほど前。真夏日を上回る猛暑日もおなじみになり、夏の暑さが際立つ今、真夏日はやはり不快な言葉でしかない。

 暑さを表す言葉に「油照り」というのもある。薄曇りで風がなく、日がじりじりと照り、ひどく蒸し暑いことをいう。「大阪や埃の中の油照り」(青木月斗)という俳句は、むせ返るような都会の蒸し暑さを言い当てている。

 さぞや夜も寝苦しいだろうが、我が家では今夏、寝室でエアコンをつけたことがない。扇風機で十分だ。西宮市から丹波にIターンした知人は、真夏でもエアコンをつけずに眠れる田舎は極楽だと言っていた。まだ当分、嫌悪すべき真夏日が続くだろうが、田舎は極楽と言い聞かせ、行く夏を楽しむか。(Y)

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