どじょう

2011.09.08
丹波春秋

 わし、どじょうすくい名人の田吾作。野田さんが「泥まみれのどじょう政治をする」言うて総理になりなさったもんで、わしもにわかに脚光を浴びて、ちょっこし恥ずかしいのう。▼どじょうはうなぎのように高級やあらせんけど、骨っぽいのがうめえ。出来んことを見通しものうぶちあげた菅さんや鳩山さんと違うて、新政権は地道にやってくれそうなとこに、ちょっこし期待したい。▼けんど、気になることもじょうさんある。内閣の顔ぶれは知らん人ばあ。党内融和を第一に、自民党や公明党とも仲良う、ゆうことらしいが、こない周りに気い遣うっとったら、何もできゃせんで。▼民主党が政権取る時、わしが注目したんは、「国家戦略局」を作って、この難しい内外情勢の中で日本の将来像を示す、言う点じゃった。けんど、今は吹っとんでしもうて戦略のセの字も出てこん。それから、官僚たちに自分の省より国民に目を向けた仕事してもらお、ちゅう目的の公務員制度改革は、全くの腰砕け。▼借金が膨らむばあの財政問題も、ただ「増税」で片付けてええんか。震災復興や原発対策は当然、泥まみれでやらんなん。じゃが、マニュアルで一番肝心じゃったはずのとこを、野田さんはどう見とるんか。泥にもぐるだけやのうて、わかり易う話してくれんと、おえりゃあせんぞな。(E)

 

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