岩尾城跡

2011.11.03
丹波春秋

 山南町の岩尾城跡へ。蛇山という358メートルの山頂。和田小の裏から入り、急な勾配を30分ばかりで尾根筋に。上りはなおだらだらと続き、麓からだとごく簡単そうに見えた割には手ごわい。▼ようやく南曲輪(くるわ)と標示のある所に出、堀の跡や古井戸のそばを通って、西の丸の石垣にたどりつく。歩き始めてから休憩も含めて1時間余り。天守台はさほど広くないが、高さ4メートルほどの石垣が3層に重なり、なかなかの壮観だ。見渡すと東に御嶽、南に千ヶ峰。篠山から播州にかけての山々がずらりと連なる。▼この地を治めた和田斉頼(ときより?)が1516年に築き、明智光秀の丹波攻めの際、黒井城の赤井一族と共に敗れ落城。その後再建されたが、秀吉の命で取り壊されたという。▼登山道は難所に丸太が敷かれ、あちこちに防護ネットをかぶせた楓の若木。地元の人たちがとても大事にしていることがよくわかる。▼中世から戦国時代にかけ群雄が割拠し、京と西国をつなぐ要衝の位置にあった丹波地方はいたる所に山城があり、丹波市教委の芦田岩男氏によると、丹波市・篠山市合わせて200近くを数える。全国各地から探訪に来る山城ファンも多いようだ。同行した仲間たちも「来年は城めぐりの登山スケジュールを立てよう」と、話がはずんだ。(E)

 

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