小さな勝利

2012.01.14
丹波春秋

 新年早々の朗報だった。地元氷上高校でバレーボールに打ち込む女子高校生たちが、全国大会で準優勝を勝ち取ったのだ。あっぱれの一語に尽きる。▼会場となった東京体育館の応援席には、同部の合言葉を書いた横断幕が掲げられた。「小さな勝利を繰り返せ」。これは何を意味するのか。どんな対戦相手であれ、決して手を抜かず全力を出し切ること。勝つことに強い執着を持つこと。それとも自分に対する勝利か。そして勝利を積み重ねることで、たくましく成長できるということか。いずれにしろ部員の精神的支柱だろう。▼1952年、ヘルシンキ五輪で5000メートル、1万メートル、さらにマラソンで金メダルを取ったザトペックを思い起こす。3冠という快挙をなしとげたザトペックだが、素質に恵まれたわけでなく、専任のコーチがいたわけでもなかった。▼ただ、信念は固かった。「練習のスケジュールには絶対に忠実であること。誘惑に負けないこと。そして最後には成功するんだという、自分への信頼を持つこと」。その信念を貫き、雨の日も、暑い日も、大雪でも走るのをやめず、記録をぐんぐん伸ばしていった。▼「小さな勝利を繰り返せ」。これは同部の信念であろう。その信念に基づいた毎日があるからこそ、同校は強豪であり続けているのだと思う。(Y)

 

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