田ステ女俳句ラリー

2012.05.17
丹波春秋

 筆者もスタッフに加わっている母の日の「田ステ女俳句ラリー」。今年も爽やかな素晴らしい天気で、参加者は風薫る丹波を満喫したことだろう。▼ステ女賞は「柏原のやや丸く飛ぶ夏燕」だった。真直ぐでなく「やや丸く飛ぶ」という言い方が、選者の先生方の心をとらえたようだ。作者は柏原の街に温かなものを感じて下さったのだろう。▼選者賞で宇多喜代子さんが「新緑の丹波に丹波新聞社」を選ばれたのには、恐れ入った。「丹波に丹波新聞社は当たり前だが、『新緑の』との取り合わせが妙」という。社のロビーを休憩所に提供したことへのご挨拶らしいが、照れくさい。▼坪内稔典さんは選者賞「緑陰に青になるまで眠りたし」のほか「新緑に吠えられている男かな」などの句を挙げて、「年をとるほど、俳句らしい句から離れる工夫を」と勧められた。「キザっぽいことでも恥ずかしいと思わずに、思い切り飛んでみたら」。▼そう言えば先述のステ女賞にも、木割大雄賞「万緑や女子力いまにステ女の日」、山田佳乃賞「夏空に大手を広げ大けやき」にも共通したものがある。無論、ちゃんと句になるためには、基本がしっかりしていてこそ。奇をてらうばかりでは良い句はできないだろうが、確かに身構えずに作ることが大切ということを、教えてもらった。(E)

 

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