原発・エネルギー政策

2012.09.20
丹波春秋

 総選挙が迫る中での民主、自民両党の代表・総裁ダブル選挙。どちらも候補者が乱立し、注目を集めているが、領土、安全保障、経済などの論戦に比べ、最重要課題の一つである原発・エネルギー政策については、いま一つ低調だ。▼次期総選挙で惨敗必至と言われる民主党は、これこそ起死回生策と見てか、「2030年代に稼働ゼロをめざして努力」と、一応「脱原発」を打ち出したが、候補間の討論ではそれ以上の具体策には踏み込まれていない。自民党の各候補はおおむね、「願望だけで原発廃止を決めるのは無責任」と言い、「再生可能エネルギーを最大限導入し、その可能量を見極めたうえで最終判断する」としている。▼「『自分が作ったものを子どもらに食べさせられない』という福島の農家の人の言葉に立ちすくんだ」とテレビで話した石原氏も、「では原発は?」の質問にはうまく答えをはぐらかせた。自民の各候補ともこの問題にはあまり触れたがらないようだ。▼無論、単純な問題ではなく、選挙向けの人気取りのために判断するべきではないが、自民党が長年進めてきた政策の結果として今日の問題があるのは事実。▼それをどう総括し、今後どうするのか。政権奪回を狙うのであれば、決して先送りは出来ないはず。思わぬアキレス腱になるやもと、考えてほしい。(E)

 

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