領土問題

2012.09.27
丹波春秋

 「独島(竹島の韓国名)は韓国人にとって、日本人の富士山と同じなんです」。23日のNHK特集「領土めぐる対立の行方」での韓国側の学者の発言に、「はぁ、それほどまでに…」と驚いた。▼竹島を日本が領有宣言したのは1905年、つまり韓国を併合した5年前。従って「独島」は日本の植民地支配と離しがたく結びついた、韓国の主権確立の象徴。まさに歴史問題なのだ。▼同国では小学生に「独島は韓国の領土」と書いた教科書を朗読させ、音楽で歌わせる。これに従軍慰安婦のことまでが絡んでくると、話は相当複雑になる。▼向こうの3人の論客に対して、日本側の3人(元外交官の田中均氏、ジャーナリストの櫻井よしこさんら)も、諄々と丁寧に応じ、詳しくは書けないが理はこちらにあるように感じた。少なくとも、「実効支配している韓国の大統領が何故に日本国民の神経を逆なでするのか」という疑問に対して、韓国側の説明は説得的でなかった。▼タカ派と言われる櫻井さんの主張に、筆者は全面的に賛同するわけではないが、静かな微笑を絶やさずに、譲れない一線をきっぱり発言する姿勢はさすが。相手の3人とも一目置かざるを得ないようだった。こういう場を提供した日本メディアの懐の深さについても、彼らは思うところが少なくなかったはずだ。(E)

 

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