総選挙

2012.12.06
丹波春秋

 小選挙区制になって6度目の総選挙。2大政党による政治の成熟をめざしていたはずの同制度だが、かつてなく10以上の政党が乱立した。選挙を経てまた再編が進むのかも知れないが、ともあれ有権者はとまどっているのが実情だ。▼日経電子版が2大政党制の是非について読者アンケートしたところ、71%が「日本には向かない」と答えた。選挙区制度も「中選挙区に戻すのがよい」が48%で、「小選挙区支持」の34%(現行の「比例併用」と、「比例廃止」の合計)をかなり上回った。▼紹介された意見にある「『何を言えば有権者に受けるか』という観点で政策を考えている限り、似たりよったりの2大政党になってしまう」というあたりが、集約的な考えではなかろうか。▼前回選挙で「政権交代」を掲げた政党が見事にそれを実現した時、誰しもが小選挙区制の威力を実感した。しかしその成果への期待外れと政治の停滞。今回も、何らかの形での政権交代が予想されているものの、やはり今の2大政党は信頼し切れない、というところから「第3極」が台頭してきたのだろう。▼筆者自身、かつて小選挙区制の実施が決まった際には、いささか疑問を抱いた。しかし、またこれを元に戻してどうなるのか。要は有権者次第。国民の意識がその国の政治のレベルを決定づけるのである。(E)

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