衆院選

2012.12.20
丹波春秋

 衆院選で自民党が大勝した。兵庫5区で谷氏が当選したのは、復興の鬼となって被災地に再三足を運んだ実績などで、一層の信頼を得たためだろう。新政権では防災副大臣への期待も集まる。▼全体を見渡すと、民主党政権へのあまりの期待外れ。乱立した第3極勢には巧言令色が目立ち、「維新」も橋下氏と石原グループとの合流後はすっきりしなくなった。そんな中で行き場を失った票が、仕方なく自民に戻った面がある。▼比例区で見ると自民の得票率は27%にとどまり、維新の20%に迫られた。兵庫全県では65万対74万と維新を下回り、小選挙区別で上回ったのは中山間地域の5、12区だけ。小選挙区で勝った自民候補も、8人のうち5、9区を除く6人は民主と第3極候補を合わせた得票を下回った。「大勝」と言っても、まさに敵失、それと「1かゼロ」の小選挙区制度に助けられての結果である。▼安倍次期首相もこのことは重々承知のようで、「国防軍への改称」を初め威勢よくも危うそうな主張は、来夏の参院選まではトーンダウンする気配だ。▼きちんとした2大政党制が育つためにも、ここは民主党の踏ん張りどころ。どん底から速やかに体制を立て直し、「野党を経て自民党は生まれ変わった」のが口先だけでないかどうか、しっかりチエックしてもらいたい。(E)

 

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