愛の鎖

2013.06.08
丹波春秋

 本紙6面「自由の声」に掲載の「高校生の孫娘に支えられた日々」をぜひ読んでいただきたい。きっと女子高生の心根のやさしさに感心されるだろう。▼ここで心理学のテスト―。今、あなたは車を運転していると想像してほしい。すると、タイヤがパンクした車のそばにドライバーと思われる女性が立ち、男性がタイヤ交換しているところを目撃した。400メートルほど走ると、またもやパンクした車があった。車のそばには、困った様子の女性がいる。しかし、誰も助けていない。あなたは車を止めて、その女性を助けるだろうか。▼実際にこんな実験をしてみたところ、2000台中58台が車を止めた。比較のため、別の実験も行った。男性が手助けしている現場を見ることなく、タイヤがパンクした女性に遭遇するものだ。止まった車は2000台中35台だった。▼この実験は、援助行動に接すると、援助行動が促されることを示している。つまり、人のやさしい行動にふれた人は、同じようにやさしい行動をとるようになる。やさしさは、やさしさを生むというわけ。▼冒頭の女子高生。こんないい話を伝えられるのは弊紙の喜びである。「善い行いは、一つひとつがつながって愛の鎖をつくってゆきます」(マザー・テレサ)。紙面を通して、愛の鎖づくりにかかわりたい。(Y)

 

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