貿易赤字

2013.07.11
丹波春秋

 携帯電話からスマホに買い替え、スイスイ操作して悦に入っていたら、「ドコモの『ツートップ』販売好調で5月の貿易赤字最大に」とのネット情報。▼同社が特別割引価格で売り出し販売トップを走る「エクスペリアA」はソニー製ながら生産は中国。2位の「ギャラクシーS4」は韓国サムスン製。ライバルのソフトバンクのアイフォンも米アップル社製で組み立ては中国という。▼貿易赤字の要因は円安によるLNGなど燃料輸入額の拡大などもあるが、電子製品の海外への生産移転が進むうえ、日本のメーカーが米国や韓台中の新興勢力に圧倒され始めたことが大きく働いている。▼日経産業新聞7月1日号「2012年世界シェア50品目」によると電子、ソフト関係で日本勢が頑張っているのはデジタルカメラ、ビデオカメラ、インクジェットプリンター、ゲーム機器くらいで、パソコン、タブレット、スマホ、携帯端末では日本企業は5位にも入っていない。洗濯機、冷蔵庫、エアコンばかりか、液晶パネル、リチウムイオン電池なども後れを取った。▼かつて「新興国に追いつかれたらより高級品目にシフトする」と教科書的に言われていたことは今や反古同然。円の信用を支える原動力だった貿易黒字の構造は崩れ始め、スマホをスイスイ操作する間にしぼんでいく?(E)

 

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