自閉症文化を紹介する本出版 奥平綾子さん

2002.04.21
たんばのひと

自閉症理解を深めてもらおうと、 自閉症の次男、 愛称“ダダ”君とのかかわりについてホームページで掲載してきたものをまとめ、 「レイルマン-自閉症文化への道しるべ」 として自費出版した。 自閉症と診断されるまでの回想編、 ダダ君との旅行などを記した物語編、 また療育の資料や質問への答えなどから構成されている。
●「半年ほど前にホームページのアクセスが十万件を超え、 それだけ多くの人が情報を求めていることを感じました。 それでインターネット環境にない人にも手にとって見てもらえるよう、 出版することにしたんです。 一人で悩んでいる人が、 これを読んで少しでも楽になってくれればうれしい」
「自閉症は社会性、 コミュニケーション能力、 想像力の三つの発達に障害があるのが特徴。 昔は家庭環境などが原因の、 情緒的な障害だと言われてきました。 現在先天的な脳障害であることがわかっていますが、 まだ間違った認識がされていることが多いのが現実です」
「自閉症は一つの文化。 視覚優位で耳からの情報を処理するのは苦手。 私たちとは感じ方や思考回路が違います。 それを異文化として認め、 お互いの妥協点を探りながら生活する必要がある。 それは自閉症に限らず、 普通に人間関係を築くのと同じことなんです」  「ダダは鉄道マニアなので、 タイトルは映画 『レインマン』 をもじって付けました。 これを見て、 『笑っていいんですか』 と聞く人がありましたが、 どうぞ笑ってください。 苦労話をする人もありますが、 それは子どもに対して失礼なこと。 ネガティブにとらえるのでなく、 前向きに成長を見守っていきたい」
○TAS (丹波自閉症療育研究会) を夫の俊六さんらとともに立ち上げ、 自閉症の効果的な支援推進や、 保護者のネットワーク作りなどの活動を行っている。 昨年は県内五カ所で保護者会の設立や講演などに奔走。 今年は少しペースダウンしたいそうだが、 これからも周りから寄せられる期待は大きいだろう。 同書は篠山市河原町の森本書房、 同市魚屋町の小山書店でも販売中。 千五百円。 問い合わせは奥平さん (電0795・94・3338) へ。 篠山市西古佐。(Z)

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