農協で県下初の女性役員に就任 西牧康子さん

2002.06.20
たんばのひと

 丹波農協の専務理事に15日付けで就任。 県下の農協では初の女性役員となった。 1972年に入組。 生活課時代には生活指導員として活躍。 同課主任、 係長、 研修センター長をへて、 古市支店長、 監査室長、 企画監査室本部長、 参事など要職を務めてきた。 また、 県経済連功労賞、 県知事賞など受賞歴も多い。
●「専務にという話があった時は、 びっくりして頭の中が真っ白になりました。 農協はまだ、 男社会。 だからこそ、 やりとげたいという思いもあります。 10月1日の合併が目の前に来ています。 残りの3カ月、 組合員のためにできることがあれば、 みんなに手伝ってもらいながら、 全力投球したい」
 「私自身、 農家から農家へ嫁ぎましたが、 農家をきりもりする女性の役割は大きい。 女性の意見を反映させたいと思いました。 時代の流れもありますが、 女性の管理職が認められる組合の雰囲気、 トップの考えには感謝しています」
 「古市支店長時代には、 女性職員にも米袋を運ばせ、 窓口に座っていては分からない、 米の重たさや農家の苦労を感じてもらいました。 これが支店の意識改革にもつながりました。 最初は女性の支店長に対する反発もありましたが、 次第に認めてもらえるようになり、 支店の雰囲気もぐっとよくなりました」
 「仕事をする上でうれしいのは、 組合員と職員の笑顔を見た時。 平成八年から 『やらなくちゃ実行委員会』 の委員長として、 イベントを開いたり、 巨大な金魚を本店に掲げたりしましたが、 それも組合員に喜んでもらいたいという一心から出たアイデアでした」
 「仕事は不平不満ばかりを主張しても前に進まない。 働けることに感謝する気持ちを持ち続けたい。 合併までに両農協の良い所を新農協にうまくひきつぎ、 元気のある農協にしたいという希望に燃えています」
○女性の社会進出が目立ち始めたものの、 まだまだ封建的な職場が多いなかで、 女性が役員に就任したことは意義深い。 生活に密着した女性の視点は、 目くばりや気くばり、 心くばりができる職員の育成をはじめ、 農家のニーズをつかむことにおいて不可欠だ。 58歳。 篠山市谷山。 (S)

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