川上塗料社長 前川 郁夫さん

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顧客志向で社内変革
川上塗料社長 前川 郁夫さん  (三田市在住)
 
(まえかわ・いくお) 1936年 (昭和11年) 山南町和田生まれ。 和田中、 柏原高校を経て神戸商科大商経学部卒。 60年に川上塗料に入社。 経理部長、 常務取締役業務本部長などを経て、 98年から代表取締役社長。
 
 昨年百周年を迎えた塗料メーカー。 甲子園球場の照明塔の広告マークでおなじみの川上塗料 (尼崎市、大証二部上場)の社長。
 長引く不況と顧客の海外移転が重なり、 受注の伸びが期待できない現状を踏まえ、 「お客様の満足を得るため、 顧客志向に徹し、 口先だけでなく行動に結びつけよう」 と社員に呼びかける。 全社一丸で会社を変えるためポルフ (企業革新実践プログラム) を展開している。  生産品は、 プレハブ住宅、 パイプ、 農機具など大半が工業用塗料。 なかでも揮発性分がなく、 環境面で近年注目されているのが水系塗料、 粉体塗料で、 業界のトップクラス。 さらに、 ロシアの地中埋設天然ガスや石油のパイプラインの塗装は、 超速乾性厚膜被覆材と呼ばれる自社開発製品。
 この製品は、 1991年にロシアのガス会社に納入を開始し、 技術指導も行った。 これまではパイプにテープを巻いていたが、 腐食しやすかった。 それを防ぐために、 一回塗りで0.5ミリから4ミリの厚膜を施す方法で効果をあげている。 乾きが速いので、 作業効率にも適している。 ベトナムでは、 日本のトップメーカー向けの二輪車の塗装で現地生産を行うなど海外展開も積極的だ。
 同社の社長は、 長年大株主の三井物産出身者が占めていたが、 4年前に34年ぶりの生え抜き社長に就任。 99年には本社工場内に懸案の技術センターを完成させ、 技術面の強化もはかる一方、 整理整頓、 作業改善など社員の改善提案が在庫減少、 コストダウンなどに成果をおさめている。

 「入社以来経理畑が長く、 華々しいことはありません」 と言い、 粘り強さが身上。 「小学2年生のとき、 病気で長欠し、 一年下の学年と一緒に机を並べたが、 2倍の同級生と接することができた。 このときの苦労が簡単にあきらめない性格の礎になった」 と言う。
 「東北、 九州などのお客様を訪ねたときにも、 丹波の話をしています。 氷上郡の照明器具メーカーはお得意様ですよ」 と故郷とのつながりを深める。

(臼井 学)

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