テノール歌手 中塚昌昭さん

2002.12.19
たんばのひと

恩師とともに第九
テノール歌手 中塚昌昭さん  (大阪市在住)
 
(なかつか・まさあき) 1969年 (昭和44) 枚方市生まれ。 6歳ごろに母親の実家がある山南町太田へ。 柏原高校、 大阪音大音楽学部、 同大学院オペラ研究室修了。
 
 23日に丹波の森公苑で開催される 「第九」 演奏会でテノールソロとして出演する。
 合唱指導リーダーの波部香代子さんは、 柏原高校コーラス部時代の恩師。 同校で初めて第九に取り組んだ時にテナーソロを務め、 丹波での第九は 「15年ぶり」。
 高校では 「女の子ばかりの華やかなクラブに憧れて」 コーラス部に。 歌っているうちに楽しくなり、 「“何とかしてこんなことを続けられないか”と考えて専門家をめざすことにしました」 と笑う。 音大受験を決めてからは、 波部さんが1日も休まずレッスンをしてくれた。 「先生がいなかったら音楽の道には進んでいなかったかもしれません。 本当にお世話になりました」 とにこやかに話す。
 篠山出身のテノール歌手、 畑儀文さんも恩師。 「大学院生の時に演奏会でお会いし、 そのまま“押し掛け弟子”になりました」。 畑さんがプロデューサーを務める 「シューベルティアーデたんば」 にも度々出演している。
 バロック音楽を演奏する日本テレマン協会室内合唱団の一員。 「大学院ではオペラを研究していましたが、 古楽器の柔らかい音楽にひかれました。 自分より声が大きい人はいくらでもいる。“勝負できるフィールドはここだ”と思いました」。 音楽にマッチした柔らかい美声と、 様式を的確に踏まえた歌唱で高い評価を受けている。
 20日にたんば田園交響ホールで公演するアカペラ室内混声合唱団 「ザ・タロー・シンガーズ」 の中心メンバーでもある。 音大の卒業生らで結成したクラシックを歌うグループで、 CD2枚をリリースし、 昨年にはNHKにも出演した。
 妻・中村朋子さんはソプラノ歌手。 同じアカペラ合唱団、 テレマン協会の一員で、 活動の舞台はほとんど一緒。 また朋子さんの実家で歌の教室を開いている。
 丹波で過ごした子ども時代は、 思い切り自然の中で遊び回った。 「丹波は音楽のベース。 日本の歌を歌うとき、 ふるさとが体感としてある強みを感じます。 皆さんが応援してくれるありがたい土地。 ふるさとの役に立つ力がついたら、 いつか帰りたい」
(徳舛 純)

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