県農林水産部長 黒田 進さん

2003.04.20
たんばのひと

「楽農」生活を実践
県農林水産部長 黒田 進さん  (神戸市在住)
 
(くろだ・すすむ) 1947(昭和22年)山南町生まれ。 柏原高校を卒業し、 県庁へ。 関西大法学部(二部)に学ぶ。 但馬理想の都の祭典実行委員会総務部長、 震災復興本部統括部総務課長、 農林水産部次長、 西播磨県民局長などを歴任。
 
 4月の県職員異動で農林水産部長に就任した。 「山や海に抱かれた農山村や漁村は少子高齢化により、 大きな危機に見舞われており、 農林水産業振興と合わせ、 これをどうしていくかが大きな課題。 山林の荒廃も心配。 農業面では、 米を作らない面積を国が割り当てしている米の生産調整 (減反対策)を転換し、 来年度からは、 生産数量で割り当てる。 将来的には、 農協や生産者自身が主体的に決めていくことになる。 新制度への移行がスムーズにいくよう今年度に充分準備を整えたい」 と抱負。
 食品の産地偽装や食品関連の事件が世間を騒がすなか、 今月16日には、 「食品企業安全・安心相談室」 を神戸市の県立産業会館内に開設した。 県内食品企業の生産高は、 全国4位、 事業所数は全国3位と高い。 食品製造業者に安全の責任が要求されており、 消費者の食への信頼を取り戻すため、 食品企業の安全・安心確保対策を支援する。
 「生産者も常に消費者を意識せねばならない。 作れば良いという時代は過ぎた。 我々も発想の転換が必要だ。 職員には、 抽象論ではなく、 実践型の具体的な提案をしてほしい」 と期待する。 丹波での勤務経験はないが、 高校まで過ごした故郷への思いは強い。 「県下や全国各地で丹波ブランドの黒豆などが出回っている。 元祖丹波ブランドも新たな局面にきている。 丹波食文化発信機構の設立は大きい意味があり、 県下でも先行している」
 前任の西播磨県民局長の時には、 「村のイベントに招かれ、 住民の家に泊めてもらったこともあった。 丹波にも時間の許す限り出かけていき、 みなさんとひざをまじえ、 語り合いたい」。
 少年のころから、 家の農業の手伝いを良くした。 「近所の家からも手伝いに来てほしいといわれ、 高校のころは、 学校を休んで行ったこともあります。 もちろん親も公認で、 のどかな時代だったのでしょう」 と当時を振り返る。 そんな経験から、 畑を借り受けて、 休日は農作業を楽しみ、 自らも 「楽農生活」 を満喫している。
(臼井 学)

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