国土交通省総合政策局交通消費者行政課長 室谷正裕さん

2003.05.11
たんばのひと

地域に応じた輸送を
国土交通省総合政策局交通消費者行政課長 室谷正裕さん  (東京都在住)
 
(むろや・まさひろ) 1956年 (昭和31年) 篠山市般若寺生まれ。 篠山鳳鳴高、 東京大学経済学部卒。 79年旧運輸省に入省。 国際観光振興会ニューヨーク事務所次長、 運輸政策局政策企画調査室長などを歴任。 01年7月から現職。
 
 交通分野のバリアフリー (障害除去) に取り組んでいる。 「これまでの交通行政は通勤・通学対策が主で、 高齢者や障害者など社会的弱者は後回しにされてきましたからね」 と、 やりがいのある仕事を任されたことを喜ぶ。 たとえばJR篠山口駅のような橋上駅にエレベーターをつけたり、 車椅子のままでも乗り込める 「ノンステップバス」 への改良を進め、 事業者には国費から補助をしている。
 正月に帰郷して市の広報紙を見ていたら、 出身地の畑地区は65歳以上が33パーセントを占めていて、 50年後の日本を先取りする高齢化。 「各自治体と協力して地域の事情に合った輸送サービスを進めています。 お年寄りは家に引きこもらないで社会とかかわり、 人と人との交わりを大切にして生活を楽しんでもらいたい」 と願う。
 官僚としてのキャリアは旧運輸省から。 「高校生のとき、 旧国鉄の赤字ローカル線整理で篠山線も廃線になり、 行政の地方切り捨てに疑問をもった」のが原点。「もっとも今では、 こまめに動くミニバスなど、 過疎地ではもっと便利でよい輸送方法に置き換えることが望ましいと思いますけどね」
 航空局勤務のとき、 旧日本航空の御巣鷹山事故が発生。 お盆休みで帰郷中にテレビの臨時テロップで知る。 夜中の2時に職場から 「朝10時に大臣視察に随行するよう」 電話指令を受けた。 「父の背広と靴を借り、 京都始発の新幹線をつかまえようと、 父の運転する車で必死に天引峠を越えたんですよ」 と、 短いズボンと窮屈な靴をジェスチャーで示した。 520人もの死者を出した悲惨な事故現場に13回も足を運び、 輸送サービスの基本は 「絶対安全」 であるということを肝に銘じたという。
 「苦労をまめにする」 という意味の「黒豆会」と称する同期会で、 鳳鳴高出身者10人ほどが年に数回集まる。 「みんな 『花のお江戸で』 出稼ぎという感覚がありますよ。 丹波弁交じりの怪しい標準語で旧交を温め、 エネルギーをもらうわけです」
(上 高子)

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