武庫川女子大助教授 三井正也さん

2003.06.15
たんばのひと

兵庫国体優勝めざし
武庫川女子大助教授 三井正也さん (宝塚市在住)
 
(みつい・まさや) 1957年 (昭和32年) 春日町多利生まれ。 柏原高、 日本体育大卒。 同大学院修士課程を経て、 武庫川女子大講師、 96年から助教授。 JOC (日本オリンピック委員会) 強化コーチ。
 
 大学の健康スポーツ・科学科でスポーツ運動学などを講義。 その一方、 大学に地域の小、 中、高、 大学生を集めて体操競技を指導するなどフル回転。 「小学から大学の一貫指導は国内でも珍しい。 海外からも視察がありますよ」 と話す。
 中学時代は色々なクラブ活動をかけもちした。 高校で、 体操部に入部したが1年生は一人。 本を買って練習した。 その後、 部員を勧誘。 3年生で、 初めて出場した県大会は、 最下位だった。
 進路を決める時期になり、 それまで目指していた工学系から大転換。 「父のやっていた鉄工所の仕事を継ごうと思っていましたが、 昼は外で汗を流し、 夜は図面をひく父の姿を見ていましたので、 自分にできるのか不安がありました。 それなら、 一日中楽しめるものはないかと考え、 思い浮かんだのが体操でした」
 「日本体育大学に合格したが、 スパルタと聞いていた父が、 『骨が一、 二本折れてもあきらめて帰るな』 と言ってくれた。 喜んで送り出してくれた父に感謝しました」。 大学で、 念願の体操部に入部したが、 オリンピック選手を何人も輩出している名門で、 部員は450人もいた。 コーチとして、 国際舞台も踏んだが、 「選手としてアジア大会に出ていなければ、 それ以上の選手は育てられない」 という先輩の言葉に反発。 大学院時代から行森文美 (ゆきもり・あやみ) さんを指導。 14歳でロス五輪に出場させた。
「名選手を育てた阿部和雄教授から 『より速く、 より確実に、 効率よく、 安全に、そして楽しく』 という指導方法の五原則を教わり、 仕事にも役立てています」
 現在、 2006年の兵庫国体の少年、 成年女子兵庫県チームの強化指導者。 「国体優勝とオリンピック選手を育てるのが夢。 夢は努力すれば必ず実現します。 自分で限界をつくらないことや、 楽しくやることが大事」と話し、 高校時代に一人で練習したことが土台に。
 「指導に出向いた丹波の体操クラブから、 付属中に初めて入学してくれた。 将来は丹波と合同のチームで大会に出たい」
(臼井 学)

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