徳山積水工業社長 足立 輝文 (あだち てるふみ) さん

2004.03.18
たんばのひと

みずすまし活動展開
徳山積水工業社長 足立 輝文 (あだち てるふみ) さん (山口県周南市在住)
 
1941年 (昭和16年) 氷上町市辺生まれ。 柏原高、 大阪府立大工学部化学工学科卒。 64年積水化学工業入社、 67年徳山積水工業移籍、 積水化学塩ビ技術センター長、 徳山積水常務、 専務を経て98年から社長。
 
 山口県周南市の徳山積水工業(資本金10億円、 社員116人)の社長として、 会社の体質を改革するための 「みずすまし」 活動を提唱し、 実践中だ。
 大学を卒業後、 大阪の積水化学工業本社に勤務した。 1年後に子会社の徳山積水工業に出向、 塩化ビニール樹脂プラント建設の仕事に携わったが、 2年後に移籍した。 ちょうど、 積水化学工業への塩化ビニール樹脂供給を目的に徳山積水工業が設立されたばかりで、 新しい樹脂開発やメディカル事業立ち上げに従事。
 「塩ビ製品を作り出すための、 樹脂生産が主力。 もう一方の柱、 メディカル事業は、 国内シェアの35%を有する真空採血管を生産しています」
 「みずすまし」 活動は、 社長に就任したときに、 掲げた。 「儲かる企業への変身、 安全で環境にやさしい企業になる、 社員に安心を与えるの3つの方針を社員に示しました。 作った製品を本社に送ればいいので、 ぬるま湯的傾向が見られました。 みずすましのように、 あらゆる方向へ視野を広げていこうと、 社員の英知を集めて取り組みました」 と語る。
 「まず、 無駄を無くして生産性をあげることに力を入れました。 塩ビ樹脂は粒状のため、こぼれやすい。そこで、 こぼれにくくすることを考えました。 不良品管理や2人でやっていた仕事を1人でするなど工夫。 余剰労力は新規開発に回すなどした成果が表れ、 1人も社員をリストラすることなく、 6年連続利益をあげることができました」 という。
  「山口に来て39年になりますが、 一時も故郷を忘れたことはありません」。 今年の6月の社長退任後は、 すでに購入している篠山の家に引っ越し、 同じ丹波出身 (山南町出身) の妻と過ごす予定。 趣味は関西棋院五段の囲碁。 「囲碁仲間との交流や若手の育成に」 と夢を膨らませている。

(臼井 学)

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