六甲歯研代表取締役会長 足立勝(あだち・まさる)さん

2006.08.27
たんばのひと

まず世の中のために
六甲歯研代表取締役会長 足立勝(あだち・まさる)さん (神戸市在住)
 
1944年 (昭和19年) 丹波市青垣町桧倉生れ。 柏原高校を卒業。 大阪歯科大学歯科技工士専門学校卒。 神戸の病院で10年勤務の後、 創業。 現在六甲歯研会長、 神戸介護ケアウイング社長。
 
 歯科技工士の資格を活かし、 介護サービスの分野に幅を広げる。
 阪神淡路大震災で、 技工士仲間に呼びかけ避難所を回り、 入れ歯をなくした多くの人の義歯づくりなどをボランティアで行った。 この経験から技工士の会社を社員に任せ、 52歳で介護福祉専門学校に入学。 介護福祉士の資格を取得した。 実習先の施設で入れ歯が口に合わず、 食べ物をかむのが困難なお年寄りに出会い口腔ケアの重要性を痛感し、 「神戸介護ケアウイング」 という会社を立ち上げた。
 ワゴン車を歯科技工ができるように改造。 歯科医師や技工士、 歯科衛生士などが乗り込み、 老人ホームやデイサービス施設、 個人宅を回る。 「通院が難しい認知症や寝たきりの高齢者には、 その場で入れ歯作りもします。 衛生士のケアにより、 治療がスムーズに運ぶのも利点」。 さらに、 新たに設立したグループホームに、 口腔ケア室を設けた。 口腔ケアにより、 「口臭が消えた」 などと好評だ。
 会社に 「利他行」 という額を掲げる。 旧神楽中の恩師、 足立健三さんに書いてもらった。 「世の中のお役立ちを先に考え行動すれば、 幸せは後から付いてくる」 という意味の言葉が経営の柱。 「卓越した経営の仕組み」 が評価され、 第一回ひょうご経営革新賞を受けたのもその実践の積み重ね。 経営者仲間や大学教授らとNPOを作り、 理事長として地域振興を一緒に研究するなど輪を広げる。 さらに、 財団法人ひょうご産業活性化センターのアドバイザーとして、 中小企業を支援する。
  「小規模校の柏原高校青垣分校でリーダーシップを発揮できたことが、 今も人をまとめる力になっています。 丹波から介護や歯科技工を目指す若者にアドバイスできれば」 と意欲。 グループホームの食事は、 丹波の実家近くの田畑で取れた米や野菜を使う。 「おいしいと利用者に評判ですよ」。

(臼井 学)

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