office Benten社長 坂本なおみ (さかもと・なおみ) さん

2006.09.14
たんばのひと

ことばの力を信じて
office Benten社長 坂本なおみ (さかもと なおみ) さん (大阪府在住)
 
 1970年 (昭和45年) 三田市生まれ。 89年篠山鳳鳴高卒。 サンテレビにアシスタントやリポーターで出演。 2001年に独立し、 新大阪に事務所を構え、 司会者養成講座の講師も務める。

 高校を卒業後アナウンススクールに学び、 プロダクション事務所の専属として、 イベントの司会などをつとめた。 「専属といっても、 声がかからなければ、 収入はなく、 きびしかった。 衣装も自前で本当に貧乏でしたね」 と苦笑する。 「一言間違えて、 降板させられたこともあります。 言葉の恐ろしさを思い知ると同時に、 言葉の重みも知ることができた」 と話す。 言葉の力がすごいと感じたことは、 子供時代の記憶の中にもある。 20年くらい同居していた、 親戚の目の不自由なおばさんが亡くなる直前までラジオを聞いている姿を見て育った。 ラジオがコミュニケーションの媒体になっていたようだった。 「一緒に聞いていると、 何か元気が出てくるように感じた」 という。
 アナウンススクールで、 一年間発声やアクセントの訓練を受けながら、 派遣会社のオーディションも受けた。 「上手なアナウンスよりも、 心に残る話し方を大切にしたい。 言霊 (ことだま) といわれるような、 言葉の持つ力を信じ、 元気の出る、 良い言葉を伝えたい」。
 20人の専属司会者を抱え、 依頼先とのスケジュール調整が日課。 駆け出しのころのつらい経験から、 「人の痛みがわかる人間に」 と努力する。 「何でも相談でき、 アドバイスしてもらえる。 お姉さんのような存在」 という声も聞かれた。
 高校時代は、 放送部に所属。 今の仕事の芽が出始めていたのかもしれない。 「昼休みに桜の下でお花見をしたことがあります。 自然環境にめぐまれた篠山での高校生活で感性を研ぎ澄まされた」 と感謝。 全国から仕事が舞い込むが、 「三田や丹波地域のみなさんには、 故郷価格でサービスしたい。 気軽に声をかけて欲しい」 と笑顔。

(臼井 学)

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