企業努力

2006.12.19
未―コラム記者ノート

 丹波市春日町の養鶏業「カンナンファーム」は、アメリカからトウモロコシの個人輸入を始めた。目的はニワトリの餌にするため。8年前に規制緩和で、家畜の餌として輸入するなら関税が安くなった。同社ではトウモロコシにニンニクなどを混ぜた独自のブレンド餌をやっていたが、検討を重ねた結果、輸入した方が良いトウモロコシが安く手に入る、と判断したのだ。 神戸港から直送されたトウモロコシを見せてもらった。収穫したその場で乾燥させたもので、調理すれば人間も食べられる、地面に植えれば芽が出るのだそうだ。 続いてトウモロコシを餌に加工する粉砕機を見学。アメリカの会社から購入したが、バラバラの状態のため、組み上げなければならなかった。その時、社長の頭に部品が直撃。「ヘルメットがなかったら死んでました」と話されたが、思わずぞっとしてしまった。 そのほか、書類の作成や税関の検査など、わずらわしいこともたくさんあるようだ。しかし、「安全でおいしい卵を届ける」のが同社の信条。普段の食卓に並ぶ食材は、そういった企業の並々ならぬ努力の結晶だと、改めて感じた。(西澤健太郎)

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