丹波雇用開発協会が先日開いた「若者の人材確保」セミナーは、人口が減少し始めた丹波地域にとって時宜を得たテーマだった。

2006.12.27
丹波春秋

丹波雇用開発協会が先日開いた「若者の人材確保」セミナーは、人口が減少し始めた丹波地域にとって時宜を得たテーマだった。昨春、地域内の高校を卒業して地元企業に就職したのは全卒業者の13%。全就職者の57%にとどまっている。▼これには地元企業の受け入れ力だけでなく、求職者が都会の企業に漠然と魅力を感じ、親もそれを促すといった要因も多分にありそうだ。景気の回復に伴い、この比率はさらに低下する可能性がある。▼若者が都会に憧れるのは自然のことながら、流出を防ぐには、あるいは流れたのを呼び戻すには、「こちらも決して悪くはないよ」と誘導できる吸引力が必須になる。基本的には個々の企業がそこそこの給料を出せる力をつけ、楽しく働ける職場作りに努めることが最重要だが、一企業だけで手に負えないこともたくさんある。▼一例を挙げれば、余暇の環境整備。丹波地域は決して都会に遠いわけではなく、芸術・文化活動は盛んだし、スポーツやアウトドアの遊びならはるかに環境が良い。▼しかしそれに気づかず、遊び方を知らずに孤独な『バーチャル』世界に浸る者も少なくない。であれば、皆で遊ぶ楽しさを教えることも必要になる。企業と家庭、学校、行政が地域ぐるみ連携しなければならない壮大なテーマに、両市が主体的に取り組んでほしい。(E)

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