大分県の地域おこし見学ツアーについて、本欄初め色々と報告したが、もう一つ、伝えたいことがある。

2006.12.27
丹波春秋

大分県の地域おこし見学ツアーについて、本欄初め色々と報告したが、もう一つ、伝えたいことがある。3日間お世話になった地元の小さな観光会社のバス運転手さんのことだ。▼10人余りの少人数だったので、ガイドはいなく、運転手がワンマンで道筋目に入るものの説明をしてくれた。それが、何をたずねても「わかりません」ということはまずなく、的確かつユーモアたっぷりな答え。▼霧の名所だそうで、高速道路沿いに張り巡らされた珍しい開閉式の防霧ネットのこと、大分弁の講釈、歴史だけでなく最近のニュースも織り込んだ、マニュアル式ではとてもできない案内で、ずっと退屈せず大いに博識を得た。▼そればかりではない。くぐろうとしたガードが「2.9メートル」とあると、「このバスは3メートルですから無理です」と、さっとUターン。濡れたまま座席下に残していた折りたたみ傘を、翌朝行くと「乾かしてたたんでおきました」。皆が疲れてきた最終行程では、ゆっくり昼寝タイムを取ってくれた。▼「この形の火山はスペイン語で○○(筆者失念)と呼びます」と言うので、「スペイン語まで話せるの」と聞くと、「話せたら、こんな所で運転手なんかしていません」との答えだったが、いやいや、こういう人が運転手を務めてこそ。「月給を2人分もらってね」と、握手して別れた。(E)

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