本の盗難を防ぐため、篠山市立中央図書館内に監視カメラが設置された。

2006.12.27
丹波春秋

本の盗難を防ぐため、篠山市立中央図書館内に監視カメラが設置された。県図書館協会から、「播磨地域の公立図書館で高額な本の盗難が多発している」との通知があったのが設置のきっかけだというが、中央図書館でも盗難と思われる事案が発生しているそうだ。▼貸し出しを禁じている事典類などが、棚から消えていることがあるという。「こちらとしてはショックなこと」と、図書館の職員はこぼしていた。「知性の殿堂」である図書館で盗みなんて、まったく不届き千万な仕業だ。▼まんまと盗みに成功した者は、だれにも知られていないと思っているだろうが、そんなことはない。「天網恢恢(てんもうかいかい)疎にして漏らさず」。天はしっかりと知っている。その上、盗んだ本人が知っている。▼昔々の中国の話。わいろを差し出された清廉潔白な役人がわいろを拒絶し、贈賄者に厳然と言い放った。「人知れず渡したつもりかもしれないが、天も地も、君も私も知っている。だれも知らないという気か」。陰でこそこそと悪事を働いても、知っている者は必ずいる。だからこそ天網恢恢であり、悪事はいつか露見する。▼市民の知的財産である図書館の本を盗む不届き者に忠告する。「監視カメラだけでなく、天の網も張り巡らされている。天網を見くびっていると、痛い目にあうぞ」。(Y)

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