先日、春日文化ホールで開かれたNHKアナウンサー

2007.01.21
丹波春秋

 先日、春日文化ホールで開かれたNHKアナウンサー、村上信夫さんの講演会「もっと元気の出ることばたち」は、お父さんが旧黒井町出身で、信夫さん自身もJR駅前に家を建てたとあって、途中で聴衆席から質問を受けるなど、くつろいだ雰囲気の講演会だった。▼様々な有名人から言葉をもらっている村上さんだが、最後に披露したのは81歳のお父さんからのもの。「人に接する時は暖かい春の心、仕事する時は燃える夏の心、考える時は澄んだ秋の心」、そして「自分に向かう時は厳しい冬の心で」。ある年365回、毎日一枚ずつ出してくれた葉書の362枚目にあったという。▼「春、夏、秋は成程その通りだが、『自分に厳しい』冬の心が難しい。そんな息子をよく知っていて、これを言うために、毎日葉書を書いて来たのだろう」。▼入局1年目、富山に赴任した時、商売のついでに下宿に立ち寄ったお父さんが残した新聞紙に「身体に気をつけてがんばれよ」と走り書きしてあった。部屋の蛍光灯をつけっ放しでないと眠れなかったのがそれ以来、暗くても眠れるようになったという。▼先月末、関東氷上郷友会の例会に出席したお父さんに、村上さんは終始いたわるように付き添っていた。今にわかに冬がやってきた窓外を見やりながら、その光景を思い浮かべる。(E)

関連記事