病院問題と市民

2007.01.29
未―コラム記者ノート

 丹波地域の総合病院が、医師不足で手が回っていない現状が明らかになった。国政、地方行政、病院が解決すべき課題であるところが大きいが、市民ができることはあるだろうか。その一つは、「とりあえず総合病院へ」というのをやめること。風邪などの場合は、まずは、近くのかかりつけ医院や診療所などで診てもらうのが正しい順番だそうだ。 「とりあえず救急車を呼べ」も、少し様子を見た方がよい場合もあるようだ。実際に、篠山市消防本部が昨年度に搬送した救急患者1344人のうち、50%は「軽症」と診断されている。ある病院長から「昔は救急車を呼ぶのはよほどのことだったが、今は比較的簡単に呼ぶようになった」と聞いた。何事につけて大事をとるようになり、そうした意識の変化もあるかもしれない。 高齢化で国の医療費が膨らみ、個人負担は増える一方だ。地域も国も、医療行政の先行きは厳しい。 篠山市地域医療検討委員会の委員長だった新家龍さんが、こう言われたのが印象に残っている。「要は、病気にならないことです」。極論だが、本当のところそうなのかもしれない。(徳舛 純)

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