一昔ほど前の話で、もう時効になっていると思うので、差し支えなかろう。

2007.02.03
丹波春秋

一昔ほど前の話で、もう時効になっていると思うので、差し支えなかろう。名神高速道を滋賀県の方から帰ってくる途中、恐ろしくも不思議な体験をした。▼何を急いでいたかは忘れたが、追い越し車線を130キロほどで飛ばしていてふと気が付くと、30メートルほど後方からぴったりと付けてくる黒い車がある。いかにも「前をよけろ」と言わんばかりの雰囲気だ。すぐに本線によけるべきだったが、変に意地を張ってそのまま走り続けた。▼すると、こちらがさらにスピードを上げれば同じだけ上げ、落とせばまた落として、同じ距離をきっちり正確に保つ。並みのスピード狂の車ならそんな場合、本線に回ってから追い越していくはずだが、その車は「俺が走るのはここだけ」と決めているかのように、路線を変える気配は断固ない。▼5キロか10キロほどそんな状態が続いたがとうとう、根負けというより怖くなってきて道を譲った。その車は一層スピードを上げて猛然と消えて行った。どういう人が運転しているのかは想像もつかなかったが、とにかく見事な『美学』の持ち主ではあった。▼別にこの人のことではないけれど、今どきは下手にカーレースなどすれば、事故より前に、エアガンで撃たれてしまいかねない。とにかく運転は速度を守って安全に安全にと、心がけよう。(E)

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