柏原高柏陵同窓会が先日開いた「柏陵セミナー」で講演したOBの江原伯陽さん

2007.02.03
丹波春秋

柏原高柏陵同窓会が先日開いた「柏陵セミナー」で講演したOBの江原伯陽さん(三田市・エバラこどもクリニック院長)の録音テープを聴いた。当日所用で行けなかったが、大変好評だったので、事務局から借りてきた。▼江原さんは旧姓を洪といい、中学生の時、医師の父が氷上町の診療所に赴任したのに伴って台湾から来日した。日本語が全く話せなかったが、いじめにもあわず楽しい中高校時代を過ごし、音楽大とどちらにするか迷った末、九州大医学部に進んだ。▼阪神大震災でボランティア活動をして以来、故郷の台中の大地震の際や、アフガニスタンの難民キャンプで医療支援に関わり、子供のPTSD(心的外傷後ストレス障害)治療に携わった。随所に登場するパソコン画面を想像しながら、温かい人柄がよくうかがえた。▼台湾でエリートとして一家を成してから日本のいなかの診療所を志願した父は、そろばんとは無縁の人だったのだろう。母も戦時中、日本に亡命したユダヤ系ドイツ人と音楽を通じて交流をしていたといい、並の医師ではない江原さんを育てる土壌となったようだ。▼パソコン画面には中高校時代の写真もたくさん織り込まれ、「忙しい時間を割いて、こんなにていねいに準備をしてもらって」と、同窓会役員らも感激。意義あるセミナーになったらしかった。(E)

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