平日夜間の一次救急 日赤で開業医が診察へ

2007.03.04
丹波の地域医療特集

丹波市医師会員が交代で勤務
開始時期など詳細協議中

 丹波市地域医療協議会 (座長=辻重五郎市長) の2回目の会合が1日、 柏原公民館で開かれた。 その席上、 市医師会員の開業医が交代で、 柏原赤十字病院の施設や看護師などを活用して平日夜間 (午後8―10時) の1次救急 (手術を伴わない軽症患者など) に対応することを確認した。 市、 医師会、 日赤の3者で、 詰めの協議に入っている。
 柏原日赤が、 開業医を非常勤医師として採用するかたちをとり、 その人件費や設備の更新などの費用を市が負担する仕組み。 人件費は、 休日診療所 (1日8万円) をベースに計算されると見られる。 市医師会によると、 大半の医師が協力するという。
 市は、 この体制に必要な経費を、 新年度当初予算案に計上していないため、 この体制をスタートする時期や人件費の額、 日赤側の受け入れ体制などの詳細がまとまり次第、 補正予算で対応する方針。
 辻市長は 「詳細はこれからだが、 早急に実現させたい」 とし、 田中潔市医師会長は 「2次救急が入ってきた時のバックアップ体制が課題だが、 医師会としては、 市の予算が確保できしだい、 早急にやりたいという思いだ」 と話している。 柏原日赤も 「市民に少しでも安心してもらうために、 まずは具体的なことを1つでも始めることが大切だ」 としている。
 開業医が日赤の施設や看護師を活用する案は、 白紙となった市民病院構想の中にも盛り込まれていた。 病院の医師不足の現状を受けて、 市医師会は夜間診療への協力を得られるかなどを問うアンケートを会員に行なうなどの検討を行い、 今年に入り、 市へ協力を要請した。
 丹波地域医療確保対策圏域会議などで、 県立柏原病院の充実が求められる一方で、 同病院が医師不足に悩んでいる現状から、 同病院の1次救急にかかる負担を軽減させることが課題となっていた。
 次回の同協議会は3月28日に行なわれる。(芦田安生)=07年3月4日掲載

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