篠山の再生計画 チルドレンズ休館へ

2008.06.23
ニュース

 篠山市は、 財政再建に向けた 「篠山再生計画案 (行財政改革編)」 をまとめ、 20日に発表した。 市職員の給与総額1割削減のほか、 支所の統廃合やチルドレンズミュージアム、 西紀運動公園の休館などが含まれており、 市発足後、 最も大規模な改革案。 職員定数・給与、 公共施設、 事務事業、 補助金などの見直し、 自主財源の確保などで計124項目を盛り込んだ。 酒井隆明市長は 「すべて実施してどうにか沈没せずにすむ最低ライン。 市民には前向きな関与をお願いしたい」 とした。
 計画期間は10年間。 毎年見直しを行い、 2018年度までに再建の道筋をつけるとした。 昨年7月に立ち上げた公募市民委員らによる 「篠山再生市民会議」 の答申やアンケート結果などを踏まえて策定したという。 8月に各中学校区で開く 「ふるさといちばん会議」 で市民に説明。 11月に計画を策定する予定。 市ホームページに内容を掲載している。

【物件費】
 篠山チルドレンズミュージアム、 西紀運動公園、 酒造記念館については10年度から、 さぎそうホールは09年度から休館の方針を示した。 いずれも 「経費のかからない方法があれば検討する」 としており、 存続の可能性も残っている。
 チルドレンズと西紀運動公園は、 合併後に10数億円の費用をかけて整備された施設で、 それぞれ01年と04年に開館したばかり。 借金の返済も完了していない中で、 「休館」 の方針が出された。
 チルドレンズは、 今年度から指定管理者制度を導入。 受託したプロビスささやまの工夫により、 1800万円の削減を行った。 市は同施設について 「入場者に占める市民の割合が少なく、 高額な運営費が課題」 としている。
 西紀運動公園は、 昨年度から11年度まで、 橋本電設 (丹波市) が指定管理者として契約を結んでいることから、 市は 「指定管理者と協議する」 とした。 同施設は昨年度決算で約3500万円を市が支出。 市は市内に他のプール施設があることなどを理由にあげている。
 酒井市長は 「いずれもあるに越したことはない施設だが、 命にかかわる分野などと比べるとどうしても必要性が低くなる」 と話した。
 支所は、 来年度から統廃合する考えを示した。 城東・多紀の2支所を統合し、 ハートピアセンター (細工所) に移転。 丹南支所と草山地区の西紀分室は廃止し、 「多紀・西紀・今田」 の3支所体制とする案が示されている。 本庁の開館時間延長を合わせて検討している。
 公民館は、 丹南公民館 (四季の森) を拠点化し、 残る5館 (篠山、 城東、 多紀、 西紀、 今田) は来年度から、 事業のある時だけの利用にする方針。
 東雲診療所は10年度に廃止 (移譲も検討)、 今田診療所は経営主体を検討。 診察者数が減少傾向にあることなどを理由に挙げた。 草山、 後川診療所は継続する。
 隣保館は10年度から、 中野隣保館のみの一館体制とする。 菅、 西荘、 川西、 牛ヶ瀬の各館は地元へ移譲する。

【人件費】
 職員定数は、 13年度の目標数値を 「450人」 に設定。 現在507人いる職員を5年間で57人減らす。 勧奨退職を募り、 新規採用は当面3人とする。
 正規市職員の給与は、 当分の間、 総額10%削減するとした。 削減率は階級に応じて異なる案を検討している。 職員労働組合と交渉中で、 話し合いがまとまれば10月からの実施を予定している。 実施されれば、 給与水準は県内市町で最も低くなる見込み。

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