丹波竜化石の3次発掘終了 歯の特徴がより詳細に

2009.03.16
丹波の恐竜

 山南町上滝の恐竜化石発見現場で第3次発掘調査を行っていた県立人と自然の博物館 (三田市) は12日、 同博物館で3次発掘の調査結果を発表した。 1月9日からの52日間の調査で、 丹波竜と同一個体とみられる竜脚類の歯や肋骨のほか、 獣脚類の歯など約2850点 (骨片含む) を発見したことを明らかにした。 竜脚類の体と歯がセットで発見されたのは、 アジアでも4例目で、 三枝春生主任研究員は、 「丹波竜の系統を確立する上で、 学術的な価値は非常に高い」 と話した。 竜脚類の歯などは、 今月20日―4月5日まで、 同博物館で公開される。
 今回の発掘で見つかった竜脚類の歯は6本で、 長さは2・5―4・5センチ。 細長い鉛筆状で、 独特の斜めのすり減りなどが確認できる。 生える前や使用後など、 さまざまな段階のものが見つかったことで、 より詳細な特徴が判明した。
 三枝研究員は、 「歯だけで系統を特定する手がかりとなり、 それをもとにした分布域も作ることができる。 恐竜全体の系統を世界的につかむ基礎資料になりえる」 とし、 「新種を裏付ける資料としても重要」 と話した。
 獣脚類の歯は10点以上、 鳥脚類の歯も20点以上出土していることについて、 「同じ層から丹波竜以外の生物の化石が出ていることで、 当時の様子がわかる。 4次以降では、 同時代の生態系解明も目指したい」 と話した。
 3次発掘で発見を目指していた頭部や四肢は見つかっておらず、 秋以降に予定されている4次発掘まで持ち越しとなった。

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