柏原赤十字病院 9月から総合診療科を新設

2010.08.26
丹波の地域医療特集

 柏原赤十字病院 (片山覚院長、 0795・72・0555) は9月1日から、 患者の 「何科で診てもらえばよいか分からない」 という症状に対応する 「総合診療外来」 を週3日 (月、 火、 木曜の午前)、 開設する。 高齢化する地域の症例として多い脳血管障害に対応できる、 脳神経が専門の野垣秀和医師 (59) が8月1日付で着任。 脳卒中など脳血管障害の回復期におけるリハビリを主に担当し、 院内における内科、 外科などの専門診療、 健診センターと連携し、 横断的な診療を行う。
 野垣医師は、 脳神経外科が専門。 神戸大学医学部卒。 公立豊岡病院勤務、 公立和田山病院長を経て現職。 柏原赤十字病院では、 脳神経外来も担当するが、 手術はしない。 総合診療部門においては、 片山院長が部長を兼任し、 野垣医師が副部長を務める。
 総合診療は、 患者からすると 「何科にいけばよいか分からない」 症状や、 複雑に原因がからみあっている症状などに対し、 検査をしたり、 経過をみるなどして診断。 原因を明らかにしたうえで専門医につなぐ。 専門医は、 専門分野の診療に専念できるため、 少ない医師数でも効率的な医療が提供できたり、 再診患者の待ち時間が短縮できるなどのメリットもあるという。
 脳神経外来では、 手術はせず、 おもにリハビリの充実をめざす。 現在、 脳神経外科の急性期診療は、 西脇市民、 三田市民、 福知山市民病院などが担っている。 急性期を過ぎ、 回復期に入った際には、 丹波市に帰ってリハビリができるような地域の体制充実に貢献したい考え。
 片山院長は、 「医師会へも協力を依頼し、 『困ったことがあれば医師にかかれる』 という普通の状況にもっていきたい」 とし、 野垣医師は、 「ますます大切な領域となるリハビリや在宅も含めた慢性期を中心とする医療が、 今後につながるよう貢献したい」 と話している。

【生活習慣病外来も】
 柏原赤十字病院は、 9月1日から、 健診センターにおいて 「生活習慣病外来」 を月曜午後に開設する。 健診と生活習慣指導、 治療までを行う。
 薬はいらないが注意が必要という人には継続的な指導を実施。 薬物療法が必要な人には、 症状が安定すれば、 地域の受診しやすい開業医を紹介する。

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